「お父さんはアメリカだったし、頼れるのはお母さんしかいないのに頼りたくなかった。頼れなかったの。
恐かったんだ。
お母さんに言って、もしお母さんが学校に言ってしまったら私はどうなるんだろう…っていつも思ってた。
結局言わなかったけど。
…それでね、ある日、学校に行ったら私の机が無くて、『中庭にある』って言われて、中庭に行ったんだ。
確かに机はあったんだけど…
もう私の使っていた机じゃなくなってたの。」
「どういう意味だ…?」
「削られてたの。机いっぱいに大きな字で…『死ね』って…
あまりにショックで…
机から目が離れなくて…
それで…極めつけには3階から泥水…」
「………。」
「学校が初めて嫌になった。
私の居る場所はない。
私がいなくたって誰も困らない。
私なんていらない。
私を必要としてくれる人なんていない。
……そう思った。
こんなことする子達もそう思う自分も…
全部が嫌になって学校を初めてサボった。
制服のまま公園で1日過ごした。
…その日の夜は家に帰れなくて、適当に街をぶらついてたの。
そしたら不良に囲まれて…
なんでだろうね。
全く怖くなかった。」