今
俺を動かしているものは何かと聞かれたら
具体的に答えることは出来ない
ただ
俺は今動かないといけないんだ
「チッ…忘れてたっつーのそんな事」
穂波は無用心だから
俺が守ってやるって言った
そうじゃねーと俺が心配なんだよ
…本人にはそんな事ぜってー言わねぇけど
バタッ
広間の扉を開けると
中にはジジィしかいなかった
『…そろそろ来る頃だと思っとったわい』
ニヤッと笑う顔が嫌味ったらしく見えて
俺は心の中で舌打ちをした
「俺は今日ここで
王位継承権を放棄します」
はっきりと言った
どんなに悩んだって、これが今の気持ちだ
『…魔力も失う
人間界にいるのだから当然ワシより早く死ぬ
それでも、いいのだな』
「当たり前だ」



