『貴方が本当に今欲しいものは何?
地位?名誉?王位?…そんなものじゃありませんね
もっと大きくて、それを捨ててでも手に入れたいものでしょう?』
俺はハッと顔を上げた
だけどすぐに俯いた
「でも、俺…私は、この王国の第一王子です
選択肢なんて最初から一つに決まっています」
そうだ
本当に決まっているんだ
俺は『刹那』である前に『王子』なのだから
一人のことよりこの国の事を考えなくてはならない
理屈では分かっている
分かっている…
そんな俺の様子を見て
母さんはハァとため息をついた
『一人の大切な人さえ守れないような男に
この国の国民を守る事など出来ません!』
「じゃあどうしろっつーんだよ!」
しまった…
言ってしまってから焦る
母さんはこういう言葉遣いには厳しい



