「お爺様
今度の契約相手が決まりました」
気付けば俺は
未だに現役で政界を統べているジジイに
…嘘の報告をしていた
本来悪魔の契約は
生命そのものを対象とするので
本人の確かな同意が一番に必要となる
つまり、契約者が望まない限り
契約などしてはいけないのだ
これは契約の必須事項の中でも一番に来る重要な事柄
これを犯すと大きな処罰が下されると言われている
『…相手の名は?』
だけど、俺は
「…桐生、穂波と言います」
その禁忌を
犯してしまった
それほど彼女を手に入れたいと思っていた
彼女の中の、特別な存在になりたいと思っていた



