なんで今… あの悪魔の顔が浮かぶの…? 『おっさん、その辺にしといたほうが良いよ』 覚悟を決めて受け入れようと腹をくくった直後に 人の気配なんて全くしなかった横から聞こえてきた声 へ…… もう少しで触れそうな唇との間に挟まれた手 私よりも高い位置にある顔を見ようと 濡れた瞳でその手の先にあるものを目で追った 『生憎、これ俺の女なんで』 私をかばうように前に出てくれているから その人の後姿しか私からは見えなかった