きっと ずっと もっと。

あたしが通帳からコーちゃんに視線を移すと、コーちゃんは苦笑する。


「……そのうち判るよ」

そう言ったっきりその話には一切触れないコーちゃんに、あたしは腹が立った。


「あの人は知ってるくせに……っ」

あの人。

コーちゃんの秘密を知ってるらしい、あの女の人。

怒り半分、妬み半分で言ったその台詞に、

「ヤキモチか?」

あたしの事なんててんでお見通し、とばかりにコーちゃんが笑う。


怒って当然でしょう?
これって笑う所なの?


そんなあたしの複雑な乙女心をあっさり見抜いた一枚上手なコーちゃんは、あたしの指すあの人が、あたしと同じ様に今までも、そしてこれからも“幸大”と呼び、“幸大”と繋がっていくであろう先の女性だと判っているみたいだった。