きっと ずっと もっと。

――これからは何時でも、好きなだけ友里を抱けるし、な。


そう囁いたコーちゃんは立ち上がると、ベッドサイドのチェストから取り出したそれを、真っ赤を通り越して逆上(のぼ)せそうなあたしの薬指に填めた。


「これは婚約指輪。ホンモノはまた式の時に」

あたしの指にすっぽり収まったジャストサイズのそれは、細い銀色には似つかわしくない程に大きな石が乗っていて。


「えぇ!? 受け取れないよ! 何か高そうだもん!」

それを指から抜こうとするあたしに、コーちゃんは申し訳なさそうに眉尻を下げる。


「気に入らないなら買い直すか? 細いけどちゃんとプラチナだぞ。石は友里の誕生石」


あたしは4月生まれだから誕生石は、

「ダイヤじゃない……っ!」