「なんか……みんな喜んでたね……」
平日の、それも間もなく深夜になる時間にも関わらず、終わる様子のない宴会会場を抜け出したあたし達は、コーちゃんの部屋に避難していた。
「友里は嬉しくないの?」
柔らかなベッドの上。
あたしを膝に抱え込んだコーちゃんが、不服そうに言うから、
「嬉しいに決まってるでしょ!」
あたしはコーちゃんの方に首を捻らす。
すると、
「……やっと俺の方向いたな」
してやったり顔のコーちゃんが、微笑んで触れるだけのキスをした。
「……するの?」
キスは始まりの合図。
頬を染めたあたしがコーちゃんに尋ねると、コーちゃんは首を横に振る。
「今日はしない。もうそんな事をして友里を繋ぎ止めておく必要もなくなったし。それに、」


