きっと ずっと もっと。

いつ言うのかな?

ハラハラし過ぎて料理の味さえ判らなくなっていく。
鼓動は間が経過するに連れ、高まって行く。


居たたまれなくなったあたしがコーちゃんを見ると、目線に気付いたコーちゃんがあたしを正面に捕らえた。


コーちゃんが僅かに目元を緩ませてから視線を父に移し――いよいよなんだ、あたしは腹を括る。


そして、その時が来た。
……それは予想外の形で。


「コーちゃんが旦那さんなんて友里は幸せ者ねぇ」

「……は?」

明らかにコーちゃんではない女性の声に驚く父と兄と……あたし。

声の主(ぬし)は当然、あたしではないし、この場で女性と言えば母しか居ない。