きっと ずっと もっと。

結局、心此処に非ずと言った一日を過ごしたあたしは、授業は勿論上の空。

名を呼ばれても答える事が出来ず、立たされたりもした。


けれど、担任から就職事情を聞いているのであろう教師達は、こっぴどく叱る事もなく。

あたしを見る目に憐れみの色が差していた。




「惚(ほう)けてるんじゃねぇよ」

放課後。
進路指導室に入るなり、だの男に化した担任は、あたしの頭を小突くと向かい合わせになった椅子に座って煙草に火を点けた。


「ここ教室ですよ?」

「授業はオワリ。今は放課後。俺は自由時間」

全く持って説得力のない。

またしても完全にただの男モードのスイッチが入ったらしい担任は、煙草を吸い終えると砕けた口調で話し出した。