コーちゃんの部屋の窓と向かい合わせになった、あたしの部屋の窓。

その距離は1メートル程で、腕を伸ばせば簡単に手が届く。


――あたし達は、きっとこんな感じ。

これがあたしと、コーちゃんの距離だ。


手を伸ばせば届くけど、埋められない隙間がある。

決して埋まる事ない、溝がある。


それはやはり家族同様であって、家族じゃあない。

兄のようだけれど、あたしは他人。
妹になれない。


窓の縁に手を掛けて四肢を突っ張り、向かい合わせの出窓部分に足を乗せる。

いとも簡単に届くその距離は、目に見えるより遠い存在だと言う事をあたしに知らしめていた。