「ローズ・・・?」



言葉を言い掛けたまま、ローズは止まってしまった。



「ユハ、ごめんなさい」


「あぁ、お前らか・・・」



アリスの魔力によるものだった。




「ん?クロードはどうした?」



いつも一緒にいるのに、見当たらない。



「あぁ、今ちょっと調べものを・・・」


「・・・・・そうか」



何の調べものかは口には出せない。



いつどこでセドリックが聞き耳をたてているかもわからない。



それに気付いたのか、ユハも短く返事をした。



「で、今日は?」


「ちょっと?!ユハのピンチを救いに来てあげたんだからね!少しは感謝してほしいよ」



腕を組、頬を膨らませるアリス。



「ピンチ?」



だが、ユハは意味がわかっていない・・・



何を言っているんだとでも言うように、呆れた様子だ。



「ま、人間界の仕組みを何も知らずに来ちゃったんだから、わからなくても無理ないけどね」


「仕組み?」


「そ!いい?人間界でのモテる男の条件を教えてあげる」



ユハは身を乗り出し、珍しく興味を示した。



「まずは、仕事!」


「あぁ、さっきローズが言ってたことか。何なんだそれ」


「仕事っていうのは、人間達が生きるために、お金を貰うためにする労働の、こ・と!」



ユハは首を傾げた。



「もう!生きていくためには必ずしなければいけないことなの!!これがなかったら、結婚だってさせてもらえないんだからね!」



ユハは驚いた顔をした後に



「・・・結婚て何だ?」




アリスは呆れて何も言えなくなった。