これは夢?



もしも、夢なら覚めないでくれと何度も何度も願った。



心臓が破裂しそうなほど早い鼓動をうっている。



ユハは慎重に呟いた。




「ほ、本当か?」



ローズは少し照れ笑いして、頷いた。



それを見て、ユハはようやく安心したように、ローズをギュッと抱きしめた。



「よかった。・・・よかった」




何度も、何度も・・・・・・









気持ちが通い合うことがこんなにも幸せなことだとは思わなかった。



魔界でも、欲を満たすために色々なことをしていた。



でも、これほどまでに満たされたことがあっただろうか?



きっと、向こうでは一生かかっても味わえないだろう。



心が幸せで満ち溢れていく。




「ローズ、愛してる」





ついこの間会ったばかりの人を、どうしてこんなに愛してしまったのか。



自分自身でもよくわからない。



でも


この白い肌も

キリッとした目も

クセのある綺麗な銀髪も

あたしを包み込む大きな手も


今ではどうしようもないほどに愛しい・・・



あなたの体はいつも冷たいけど、これからはあたしが温めて上げる。



愛を受けずに育ったのなら、これからはあたしがあなたに愛を注ぐ。




「あたしも。ユハ・・・」








だからどうか、俺たちを離さないでくれ・・・・



だからどうか、あたし達を離さないで下さい・・・・