*    *    *


「お、出てきたぞ!」


「え?ホントに?!」



あれから、毎日のようにMoonlakeに来るアリスとクロード。



たった今、ユハとローズが家から出てきたようだ。



「大分、距離も近づいてきたみたい♪」


「あ、アイツ、彼女の荷物持ってやってるじゃん!」


「何話してるのかなぁ?二人とも笑ってるよ」



湖を覗きながら、まるで小さな子供のように騒いでいた。



そんな様子を、空高くから見下ろす一人の悪魔がいた。



「・・・あの女か。ユハのお気に入りは。ハハッ・・・なぁんだ、人間にしては割と可愛いじゃん」



その声に反応して、アリスは上に振り向いた。



「セドリック・・・!?」


「これはこれはアリス嬢。あなたのような方がなぜこんな所に?それも、こんな野蛮なお調子者と」



そう言い、セドリックは高笑いをした。



「あんにゃろ・・・」


「抑えなよ!!あんなやつ。あなたこそ、こんな所にどうして?」


「僕ですか?僕はユハの近況を知りたくて。噂によれば・・・何でも人間に惚れ込んだとか」


「・・・そんなデタラメどこで聞いたの?」


「さぁ、どこだったか?夢うつつに麗しきお姉様を抱き締めたのは覚えてはいるのですが・・・」



アリスは顔を歪めた。



クロードは何のことだかわからずアリスとセドリックを交互に見ていた。