「お前・・・・道端で倒れていたって、わざわざ運んできてくださったんだよ!彼も傷を負っている様でボロボロだったのに・・・」


「・・・・・・・・・・・」




まぁ、ローズに記憶が無くても仕方はない。



ユハが人間界に姿を現した時には、ローズは既に気を失っていたのだから。




あれからユハはフラフラした足取りでローズを運ぶと



心配していたマリーに大変感謝されたのだ。



そして何かお礼をさせてくれと言われユハは




『1週間、俺をここに置いてほしい』



と頼んだのだ。



マリーは迷わず快く引き受けた。



そしてローズの部屋にローズを寝かせ、心配だと言うユハもローズの部屋に入れ、自分の毛布を持ってきて与えてやったのだ。




「そうだったの。・・・あの方が」



再び彼を見る。



整った顔。


でも・・・・・・・・・・





ユハは見た目はほぼ人間と変わりなかったが、悪魔の特徴がいくつか抜けていなかった。




青白い肌



少々尖った耳に犬歯




それでもそんなことどうでもいいと感じさせてしまうほど、綺麗な顔をしていて



ローズは知らず知らずと頬を染めていた。