「ここは・・・・・・」


ようやく目を覚まし、ユハはゆっくりと起き上がる。



「ん"っ!!?」



一声うなり声を上げた。



起き上がってみると、体が石のように重いのだ。





一体どういうことだ?



人間の体はこんなに重いのか?




悪魔の時よりも2倍以上重い。



そんな疑問を抱え、一苦労してようやく立ち上がると、目の前に女が横たわっているのが目に入った。



ユハは自分の目を疑った。



今まで、ずっと会いたくて、会いたくて仕方がなかった相手が目の前で倒れているのだから。



ユハはゆっくりとその場にしゃがみ、ローズを覗き込んだ。



「ローズ・・・・・・」



やはり何度見ても同じだ。



湖ごしから毎日見ていたのだから間違えるはずがない。




この綺麗な明るい茶髪に、筋の通った高い鼻・・・・・・




これが現実なのか実感がわかない。



突然白い光に包まれ、次に目を開けた時には人間界だ。




むしろ実感が湧かない方が当然なのだろう。




触れても、消えないんだろうか・・・?




そんなことを考えた。