「お前は、覚えていてくれてるでしょう?」



ローズは木に手を当て、話し掛ける。



目を閉じれば、あの時のことが思い出される。



「ユハ・・・どうして、どうしていなくなってしまったの?」



あの日、目を開けるとベッドの上にいた。



ハッとして、外に出ればマリーに怒られた。



家の前で倒れていたらしい。



ユハのことを聞けば、何もわからないと言うだけだった。



辛い。


辛すぎるよ。


忘れられるわけがない。


たったあの短い時間でも、心と心で、お互い繋がったはずだから・・・・



もう片方の手を胸に置けば、ユハからもらった魔除けのネックレスがある。



唯一、ユハが幻ではないと証明してくれる物だ。



「ユハ、苦しいよ・・・お願いだから。戻ってきて・・・」



ローズは涙を流しながら、願った。




































「ローズ・・・・・・・・」