ダンッ


「セドリック!!!」



バルコニーに着いたユハは、鋭い剣を振り上げているセドリックに、そのまま向かって走った。



時間がゆっくり動いているように感じた。



どんどん、腕が降ろされていく




ローズは悲鳴を上げているようだったが、ユハにはそれさえ、聞こえていなかった。















あぁ・・・・・・・・・・・・・・・



俺が人間界に降りてこなければ


こんなことにならずに済んだのか?



ただ、君を近くで感じたかっただけなんだ・・・



本当は気付かないフリをしていただけかもしれない。


君への気持ちに・・・・・



でも、止められないこの想いを君に言いたかった。


わかってほしかった。


君を愛している俺がいると・・・



孤独だった俺に、君がどれだけ温かい光だったか



悪魔ならば、一生感じることが出来ない、君の体温。


温かくて、温かくて



いつまでも傍にいたいと、何度切願しただろう。



君に触れるたびに、俺も人間なんだと錯覚していた。


完璧な人間になって、君を思い切り愛したかった・・・・




でも、もうそれは・・・・
許されないのか?



抱きしめるのも


見つめるのも


手を繋ぐのも


キスをするのも


愛を囁くのも



俺が













悪魔だから────────?