「ん・・・ユ、ユハ・・・」


「?・・・あ、ローズ!」



何度も角度を変えて、深いキスをしたせいで、キスに慣れていないローズは、酸欠になってしまったようだ。



肩で息をして、頬を赤く染め、瞳を潤ませおまけにトロンとしている。




あぁ・・・魔界でもここまで、夢中でキスをしたことがあったか?


というか、人間の女はこんなにも妖艶な表情をするのか?


いや、ローズ・・・だからなのか?



ユハは自分でも気付かないぐらいに、ローズに夢中で口付けをしていたらしい。



何でこんなに、唇が甘いんだ・・?



「ユハ、キスは嬉しいけど、空の上ではアリスさんとクロードさんがセドリックと戦っているの。お願い、助けてあげて・・・」


「えっ・・・アリスとクロードが?わかった」



そう言うと、ユハはローズを部屋にあるベッドに寝かせた。



「ここで待ってるんだぞ」


「えぇ。・・・絶対に帰ってきてね」



急に心細くなったローズをユハは安心させるように緩く抱きしめた。



「大丈夫だ。必ず帰ってくる。ローズが待っててくれるなら、俺は必ず戻ってくる」


「えぇ。待ってるから。必ずね」


「あぁ。必ずだ」




そう言い、触れるだけのキスをすると、ユハは翼を広げ、薄暗い大空に羽ばたいて行った。




すると、間もなく雨が降ってきた。