「あぁ・・・・・・・」



ユハは小さく答えた。



「ねぇ、顔を見せて?」



だが、頑なにそれを拒むユハ。



「無理だ。きっと俺の顔を見たら・・・。俺はもう人間じゃないんだ。悪魔は人間よりも醜い。アリスのクラスの連中は容姿は綺麗だ。でも俺は・・・・・」



そんなユハをローズはギュッと抱きしめた。



「大丈夫。何があっても、あたしはあなたを愛してる。悪魔だろうが、人間だろうがね」


「いや、絶対に幻滅する。俺はローズがいなきゃ、生きていけない。なのに、こんな所で君を失いたくない」



ユハの腕に力が加わり、さっきよりもキツく抱きしめられる。




「ユハ・・・あたしを信じて。あなたは素敵よ。姿なんか関係ない。あたしはあなたの心に惹かれたの」


「じゃぁ尚更だ。俺は悪魔に戻った。悪魔には心が無い。姿も醜く、心もないんじゃ、君に見放されるのがおちだ」


「悪魔に心がないなんて、あたしは信じないわ」


「え?」


「だって、今ユハは胸が苦しいんでしょう?あたしに嫌われると思って」



ユハは頭を縦に降る。



するとローズはフフッと笑った。



「ユハ、胸が苦しくなったり、楽しいと感じるのは、心があるからなのよ」