*    *    *


その様子を、上空から見ていたセドリックは大きな声で高笑いしていた。




「何て、いい様だ。ユハ、人間何かを好きになるからいけないんだよ・・・ハハハハハ・・・・?!」



笑った時に、何かが首に擦れた気がした。




セドリックが後ろを振り向いた瞬間、首から出血した。



「ウグッ・・・!?」


「いくら強いあなたでも、この薬なら、長くは保たないでしょう?」



セドリックの後ろから、アリスとクロードが現れた。



アリスの手には、血の付いたナイフと、小さな瓶が。



「それは・・・はぁ・・・まさか!」



セドリックの顔が怒りで歪んでいく。



アリスが手にしていたものは



「禁薬。悪魔を殺す、唯一の薬だ」



クロードがアリスの前に出て、アリスを庇うように立った。



アリスは、禁薬が塗られたナイフでセドリックを切ったのだ。



「バカな。それを使ったら・・・どうなるか、知らないのか?」


「知ってるに決まってるだろ?」




この薬は、悪魔を殺すことが出来る唯一の薬だ。


だが、その薬を使うと使った者に、何かしらの災いが訪れるのだ。


皆はそれを恐れ、今まで誰一人として使ったことが無い。




「お前ら、バカだろ?あんな、あんな奴らのために?」



自分を犠牲にしてまで・・・


セドリックには理解しがたいことだった。



「俺らの気持ちなんて、お前にわかるかよ」


「あぁ・・・わからないね・・・」


「だったら、さっさとあの世に行きやがれ!!」



セドリックとクロードがぶつかった。