クロードは一体何してるの?!



空には不気味な黒い雲しか見当たらない。



どうして肝心なときに・・・



「キャッ!!」



ローズを見てみると、空にいたはずのセドリックが、ローズの目の前にいた。



「あ、ローズ!!!」



アリスの慌てぶりを無視して、ローズに優しく話し掛けるセドリック。



「Bonjour お嬢様」



この人がユハのライバル?



「悪いけど、時間が無いんだ。一緒に来てもらうよ」


「え?キャッ!?」



そう言うと、セドリックはローズを抱き上げ、空へ舞い上がった。



「セドリック、ローズをどうするつもり?!」


「今は悪いようにはしないから、ご心配なく」




そう言うと、セドリックはローズとともに姿を消した。




「あ・・・どうしたら・・・」



アリスは焦っていた。



その時、後ろから草の音がして振り替えると



「クロード!?」



血を流す肩を押さえながら、ヨロヨロと歩いてきた。




「悪い・・・油断した」


「酷い傷ね」



クロードの体を支え、肩の傷を見ると、大分深い。



だが、今はこっちのことで頭を悩ませることは出来ない。



「クロード、ローズが」


「あぁ、わかってる。早く・・・城に行こう。グッ・・・」



傷が痛むらしい。



悪魔は、人間よりはタフだし簡単なことでは死にはしない。



だが、級が上な上に、セドリックのようにかなりの力を持つ悪魔から攻撃を受けると、回復は通常よりも遅くなるのだ。



「俺は平気だ。行くぞ!」



クロードはそう言うと、翼を広げ、暗い空に舞い上がった。




全く、無理しちゃって・・・



その後をアリスも追い掛けた。