「カワイイ子だね!そう、ユハもとうとう恋心が目覚めたんだ♪」



湖に映るローズを見ているユハの目を見て、アリスは確信したようだ。




だがユハは



「恋心?・・・まさか。俺ら悪魔には心なんてないんだぜ。誰かを想う気持ちなんてあるはずがない」



だがユハは自分でも混乱していた。




悪魔の自分に心なんてあるはずがない。



でも、じゃぁなぜこんなにも彼女が気になるんだ?





彼女の魔法かもね



アリスは思った。



前に一度聞いたことがあった。



以前にも人間を好きになった悪魔がいたと・・・



その悪魔はふとした時からMoonlakeに映る人間に釘付けになったという。




だが、悪魔と人間の恋などありえない事。




その悪魔は、叶わぬ恋に苦しみ、自ら命を絶ったという────



悪魔に恋心を目覚めさせる人間が現実にいるんだね。



あたし達より何もかも劣る下等動物でも、中には魔法を使う人間もいるのかもしれない。



アリスは、そう考えるとちょっとだけ自分も、人間に興味が出てきたような気がした。




でもまずは、その前にユハだね。



他の悪魔ならここまで親身にもならなかっただろうけど



ユハは特別。



絶対ユハの恋は実らせてあげる!




アリスは思い切ったように、話を切り出した。



「ユハ、一つだけ。一つだけ彼女と結ばれる可能性がある方法があるよ」


「・・・・・・え?」