遅い初恋〜先輩に恋をして〜


野球部が負けた
次の日。学校に
行くと、すでに
貴洋が教室にいた。


貴洋は落ち込んでいる。
昨日メールしたのにな。


個人的に、貴洋が
落ち込んでる姿
なんて、みたくない。


「貴洋!ちょっと来て」


貴洋を私は
学校のグラウンドに
呼んだ。


「貴洋?いつまで
 落込んでるの?
 貴洋に落込んでる
 暇はないって言ったでしょ?」


貴洋の目には
涙が溜まっていた。
よほど悔しかったんだね...


「まあ、今だけは私しか
 いないから、泣きたいなら
 泣けばいいよ。」



『茉美...さんきゅ』


貴洋は一言だけ言って
自分が先輩と練習してきた
グラウンドに向かって
泣いたんだ。


貴洋?このことは
秘密にしておくからね