遅い初恋〜先輩に恋をして〜

『いた!!梨沙。』


海斗先輩だ…。
梨沙先輩のことを
呼び捨てで呼ぶ。
羨ましかった。
嫉妬!?笑
初めての気持ち。


『五藤くん。どうしたの!?』


『明日まで提出のレポートだしてないだろ!?ちゃんと出せよ!!俺、HR長だから、みんなに呼び掛けしてんだよ!!』


優しいな…。
クラスのみんなの
ために、呼び掛け
てるんだ…。


『あっ!!忘れてた!!ごめん。今、出しに行くから。茉美、ちょっと待っててね。』


梨沙先輩はレポート
を提出しに私のクラスを
出ていってしまった。






私と海斗先輩の
2人きり…。
こんなチャンス、
なかなかない。
勇気をもって


「先輩!アド教えて下さい!!」


断れたら、どうしよう。


『いいよ!!赤外線でいい?』


「あっ…はい!!」


先輩の携帯と
私の携帯とが
赤外線でアドレス
交換をしている。


『俺、いつでも暇だから、いつでもしていいよ!!』


「ありがとうございます!!」


勇気を出して
言って良かった。
大好きな海斗先輩の
アドをGET出来たんだ。


大好きが
溢れる…。


大好きが
積み重なる…。


『じゃ、待ってるよ』


と言って、大きな
背中を私に向けた。


「さっ…さようなら」


背中を向けながら、
片手を上げて、
クラスから出ていった。


その広い背中が
大好きになった。