真奈美はいつも雅也と一緒にいる。

雅也の前では冷めてたはずの姉は甘えん坊だ。


『香代ちゃんの方がずっと冷めてるよ、真奈美は気性が荒いし大変だよ。』

枝豆を食べながら雅也は言った。

「え〜。そんなことない〜 」

(真奈美のぶりっ子め。 なにがカシスオレンジだ。)

「お姉は子供の時は冷めてたよ。 すげー感じ悪かった。 」

マス酒を飲んでいるのは香代子だけだ。

「それはあんたが嫌いだったから! 泣き虫だしお母さんに甘えてばっかりで、鬱陶しかったのよ。」


実家にいる時は、姉と雅也と出かけるか、父と二人で酒を飲む。

姉は酔うと外であっても必ず泣き出す。

話題が母のことになる時だ。