香代子はこの時、自分は大人なのだと思っていた。

早く家を出たことで、両親の有り難みもわかるし、許せるようにもなったのだと・・・

家にいながらお金の心配もせずに両親に対して冷たく振る舞う姉は、まだまだ子供なんだと・・・

それが大きな間違いであったことに、今となって気がついたのだが。