万里子の希望により、相沢家では猫を飼いはじめた。

愛らしい子猫に家族は夢中になった。

当初は一匹の約束が、二匹、三匹と増えていった。

全て血統書つきの部屋飼い専用の猫だった。


ある雨の日、真奈美が学校に捨てられていた野良猫を拾ってきた。

『ペケ』と名付けられたその子だけは、家の中では飼いきれない、野生気質の猫だった。