香代子はあることをきっかけに、父親のことを嫌いになった。
しかし父親を怒らせれば、母も辛いだろう。

父の顔色を伺い、母親の気持ちを考える。

二人が仲良しでいるために、香代子にできることは我慢することだけだった。


『香代子、今日はお父さんとお昼寝しようか』

低く響く父の声。

勿論、香代子に拒否する勇気はない。

身体を硬直させる。


嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ・・・


お母さん・・・。