『HE IS A NICE GUY!』


ダメ。
恥ずかしい。



だから、安藤直樹のこと、
好きになったってこと、
千夏にも言えない。



安藤君、とも言えない。
だって、どう考えたって
あたしはなになに君、って言えるキャラじゃないもん。



今日は音楽のリコーダーのテスト。
リコーダーなんて中学生でやるんだ、と
あたしは不貞腐れた。



だって上手く吹けないんだもん!



出席番号1-10までの人が廊下に出て、
テストを受ける。



そして、重大なことに気が付く。



───安藤直樹は出席番号1番、
  あたしは10番だ....



何か一緒になったら嬉しいはずだけど、
それは普段の話だ。



あたしのリコーダーの演奏なんて
聞かれたら恥ずかしくて死んじゃうよ....