「よっと…」



 王子はいきなりその場で軽く飛び上がり、バック転で敵の攻撃を避ける。

そして着地する寸前に状態を変え、向かってくる敵に回し蹴りで一気に薙ぎ倒す。



「ぐぁ!!」



「うぐっ!?」


一方執事は薙刀で、王子の背後に次々に群がる敵を順番に斬り倒していく。



「宮殿の執事なめんなよ!!オラーっ!!」


など叫びながら豪快に敵を減らしている。



……しかしやはり暗殺部隊は多かった。



「王子っ…!!やっぱりちょっと多いぜっ…」


いくら薙ぎ倒しても、次から次へと群がってくる。



「うげ…!?また来やがったっ」



「お前そんなんでよく執事になれたなっ…」


その執事の体力のなさに王子は蹴りをはなちながら呆れて言う。



「もう少し待て!!
今姐御達が、すぐそこまで来ている…」


見ると遠くから正門の方に、既に姐御を先頭に兵士達がこちらに向かって来ていた。



「…っ!!へっ…
随分早く来てくれたみたいだな!!」



「当たり前だ
すぐに駆け付けると言ったんだからな。
来てもらわなければ困る…
一気に数を減らすぞ…!!」