……そう、実の父親である国王が死んだ事を、宮殿内でまだ王子だけ知らせていないのだ。



「それ以前に、俺はっ…
王子に国王の死を告げる事には反対だ…。」


国王の死を王子に知らせる事を頑なに反対する執事に、姐御は反論する。



「何言ってんだいっ…!!
こうなったからには、王子には一刻も早く
真相を知ってもらわなきゃならないだろ!!」



「だってまだ舞踏会終えてから一週間だぜ!?
ショック大きすぎるだろっ…
俺が王子の立場なら、耐えられねーよ…」


互いに一歩も譲らない言い争いに、側で見ているメイド達は辛そうな表情をする。



「どのみち、
この事はもう街には広がってるんだよ…
王子が知るのも時間の問題だ」



「だから、もう少し時間を置いて…」