砂漠の月歌 〜dream story〜





お目付け役、というのに王子は何となくむっ…とする。



「自棄に威張るんだな、執事の癖して」



「だって本当の事じゃんか。
王子が小っさい頃なんか
何度も俺が一緒に寝てやったり…」



「執事この野郎っ!!」


幼少の頃の自分を暴露され、王子は執事を思いっきり睨んだ。


……しかしそんな光景を見ていた娘は思わず笑みを浮かべる。



「?」


「え?」


頭に?マークが浮かぶ二人に、娘はまた笑ってしまった。



「フフッ…ごめんなさい。
凄く仲が良いから…何だか兄弟みたい…。」


それを聞いて二人は一瞬固まった。



「はははっ、そうだな!!そう言えば
王子とこの執事は歳が一つ違いだったな」


案の定姐御は声を上げて笑い出した。



「笑い事ではないっ…
俺より一つ歳が上なだけだろうが…」



「そうだぜ!?
大体何処らへんが兄弟みたいなんだよっ」


そういう所がだよ…と言う言葉を、姐御は咄嗟に呑む。

これ以上余計な事を言うと、更に騒がしくなると思ったからだ。