「……私はっ…!!
あの場で死んでも…良かったのに…」


王子を抱き抱える手に力が入り、再び娘の頬に涙が伝う。



「自分に…
こんな醜い感情があるなんて、
知らなかったっ…」


どんなに死が悲しい事か、自分がよく分かっている筈なのに、我を忘れて人を殺そうとした。



「私の中で…、
どんどん黒い感情が湧き出てくるの…

いけない事だって分かってるけど、
止まらないの…!!」


怒りに駆られて剣を取り、暴走して、結果王子を傷つけた。



「だから…いっそ相打ちでも良かったっ…」


そんな自分に対しても、醜い感情が湧き出てくる。