「答えは簡単だ。今のような、
暗殺する場を偶然見られたんだよ…
君の両親に」



「……やめて…」


それ以上は聞きたくなかった。信じたくもなかった。



(聞きたくない、そんなの…)


娘の瞳から無意識に涙が零れ落ちる。



「殺されたなんて…嘘言わないで」


信じてしまえば、自分の中にどす黒い何かが生まれてきてしまう気がした。



「いいや…
嘘なんかじゃない。僕が殺したんだよ」


狂ったように笑いながら、ロゼオは銃をひらひらと見せびらかす。



「やめろロゼオっ…!!」


これ以上は言わせまいと叫ぶ王子に一瞬不気味な笑みを見せ、ロゼオはもう一度口を開いた。



「僕が、この銃で…
心臓を撃ち抜いて、君の両親を殺した」


ロゼオが言い終わった瞬間、娘はロゼオを思いっきり突き飛ばした。



ドンッ…!!!


そしてそのまま娘は床に散乱していた、何人もの暗殺部隊が先程王子に気絶させられた時に手放していた武器の中で、剣を咄嗟に拾う。



「……それで?どうする気だい」


王子の声も耳には入らず、器用に自分の手首を縛るロープを切る。