「それに表向きは大臣だからさ…。

……まぁ、
その国王様も何れは消す予定だがね…」


自分の国の国王を暗殺すると、ロゼオは平然として言ってのける。



「……暗殺部隊を
編成させた国王を殺すというのか」



「邪魔なんだよ…
うちの国王様は計画性がないからね。
だから今回国王を殺したのが早く露見した。

こんなんじゃ国の将来性が疑われるよ」


そう言って少し間を置くと、先程までの作り笑いとは違い、不気味な笑みを浮かべて言った。



「……だから国王様を殺す事にした。
そして…、僕が国の新しい王になるんだ」


何と恐ろしい男だろうと、娘は恐怖すら覚えた。



「そうなるとこの国も邪魔になる…
だからまずは手始めに、君に死んでもらう。

国王の子供まで死ねば、
自ずとこの国は自滅してくれそうだしね…」


言い終わると同時に娘の手首を引いて王子の前に突き出し、銃を王子に向ける。



「さてと…、お喋りは此処までにしよう」


狂っているとしか思えないその考えは、今まさに実行されようとしている。