「驚いたかい…?

……おっと、動かない方がいい」


間合いをとろうとするが、どうやら先に気づかれたらしい。



「この子がどうなってもいいのかい?」


はったりでない事を証明する為に、目の前で娘の頭に銃を突き付ける。



「……糞っ…」



「それでいい…。

……にしても、
王子とあろう者がこんな小娘に
気にとられるなんて…」


舌打ちをしながらも動きを止める王子に、ロゼオは不気味に笑って言った。



「お前か…ロゼオ=ダ・カーポ」


公表していない筈の自分の名前を呼ばれ、それまで笑みを浮かべていたが、一瞬無表情になる。



「……情報屋が
次々に脅されたって言ってたな。
王子でも喝上げとかするんだね」


何だか知らないが娘の前なので、物凄い誤解されそうだから一応否定する。



「喝上げじゃない、金は渡した。
要らないと言われたが…これは買収だ」


しかし否定になっていない。

それでは結局喝上げになるのではないかというツッコミをロゼオは控えた。