あの暑い 夏の記憶


「よしっ!心音にいいものあげっか?」


「へ?」

おもむろに立ち上がる耕にぃを見上げた。


「2号の助手席見ておいで」

フッと口元を上げ、わたしの頭を撫でる。


わたしは意味がわからなかったけど、急ぎ足で外に出た。


見慣れた白い軽トラの助手席のドアを恐る恐る開けた。



シートの上には。

リボンでラッピングされていた包み紙。



その包み紙をソッと破れないように、静かに広げる。



「あ…」



それを腕に包み、耕にぃの元へ駆け出した。




「…耕にぃ!これー!」


「心音?誕生日おめでとう」

ニヤッとした後、耕にぃは優しく微笑んでくれた。


いつの間にか耕にぃの隣にいる葵ねぇが、わたしにパチッとウィンクした。



旭と色違い、大きなピンクのリボンの麦藁帽子。



わたしは、葵ねぇに抱き着いた。


「そっちかいっ。俺があげたのに…?」

耕にぃのいじけた声が耳元で聞こえた。