わたしたち3人はプリントの山を、毛嫌いするかのように鋭い眼差しで見ていた。
「…ひでぇ~っ!鬼だ!」
「仕方ないよ、にっち…」
「宿題全部終わらせよ?」
葵ねぇの雷を食らい、宿題が終わらなきゃ誕生日会しない!
たった今、しこたま怒られたばかりだった。
…終わるのかなー。
「耕にぃー…!教えてー!」
わたしは、傍らで笑いを堪えていた耕にぃに助けを求める。
「…ダメダメ!耕にぃはとっくに現役引退してんだからな~っ。できるわきゃないじゃ~ん」
日夏は、鼻の穴に鉛筆を突っ込んで、明らかにバカにしてる。
「でもっ!耕にぃ大学まで行ったんなら…!」
と、わたしが立ち上がる。
「いやー…。大学ってもなー、…酪農大じゃんかよっ!」
「さっきから、あんたたちはっ!ふざけてないで早くやんな!」
「はーい…」
続けざま、葵ねぇの雷が落とされ、わたしたちはすっかり大人しくなった。