あの暑い 夏の記憶


わたしを自分の腕の中に包み込んだ。


「心音の泣き虫ぃー!そんなに日夏が好きなんだー」

と、からかった。


「泣き虫じゃないもん!好きじゃないもん!」

わたしが抵抗しようとした時。



ゴンゴンッ…。


外で鈍い音がしたと感じたら。ガラッ、と、引き戸が開けられた。



「あー耕にぃ!!」

と、わたしは突如現れた耕にぃに飛びついた。


葵ねぇは。

「…現金なやつ…」

と、ヤキモチを焼いたみたいにわたしには聞こえた。



「帰ったら、働き盛りの食欲旺盛なバイトくんたちにさ…、ご飯食べられてた…」

耕にぃは困った顔で、こめかみの辺りを人差し指でいじくる。


顔を見合わせ、わたしたちは大笑いした。