あの暑い 夏の記憶


それから…。

作業ストップさせて、久々に葵ねぇと2人きりの晩御飯だというのに。


わたしは土間で座り込み俯いたままだった。


「…心音ー!出来たよー」

わたしの周りを、バタバタと行き来していた葵ねぇが呼ぶ。


「…いらない」


「ちゃんと食べないと明日、日夏の分も働けないよー?」

居間からの甲高い声に。

「だって!日夏…。何も食べれないもん!わたしも食べない!!」
と、声を張り上げる。



表情を緩め、葵ねぇはわたしの隣に座り肩に手を置いた。


「…明日には元気に飛び跳ねてるよ。心音?あの処置は誰に教えてもらったよ?ん?」


「…耕…にぃに…、聞いたんだもん。葵ねぇが熱出した時に…言ってたもん…」


葵ねぇの顔を見上げると、一瞬、表情を強張らせたけど、また表情を緩めた。


「…そっか」


「葵ねぇの塩あめ食べさせようとしたのに。日夏…苦しんでて…。だから…、聞いた通りやろうとしたけど、耕にぃみたいにできなかったんだもん…!」