あの暑い 夏の記憶


「ハァッ…葵ねぇー!!にっ…日夏が!しんじゃうよっー!!」


「…へ?」

わたしは勢い良く、とうきび畑に駆け込んだ。

葵ねぇはそんなわたしを、びっくりして目を大きくして見る。


「ッ!日夏が…!真っ赤になって。…ハァッ、…何も言わないんだよっー!どうしよ!!死んじゃうー!!」

葵ねぇに…、ちゃんと話したいのに…!


あんな日夏を思い出すと、…言葉がまとまらなかったんだ…。



「…わ、わたしが無視したから!に、にち、か。…ック…死んじゃう!」

葵ねぇに抱きついて、泣きじゃくるしかできなかった。



「…泣かない!大丈夫。日夏はどこ?」

わたしの背中を摩りながら、落ち着き払った声で言う。


「案内、できる?」

わたしは静かに首を縦に振った。


葵ねぇはわたしの手を引いて歩こうとした。


「あ、あたし、にっちママ呼んでくる!!」

わたしには、旭が走って行くのも見えなかった。