あの暑い 夏の記憶


日夏がようやく静かになって、しばらく経った。


ビィーン、ビィーン…。

蝉の声が大きくなる。


蝉はミーン、ミーンなんて鳴かないから!ビィーン、ビィーンなんだから!


7月の終わりの…。

ビニールハウスは暑いっ!


「…暑いよぉーっ」

帽子を脱ぎ、首元のタオルで汗を拭き取って、Tシャツの襟をバサバサさせ、風を送り込む。

わたしは我慢ならなくて、10分置きに外に顔を出したり、木陰で休むようにしていた。

持たされた水筒の麦茶を飲んだり。

塩あめを舐めた。



「日夏も塩あめ食べる?葵ねぇが塩分摂るのがいいんだって…日夏?」

側にしゃがみ込む日夏に話しかける。


「…う゛~…」


「にち…か?…日夏どうしたの!?」

わたしの呼びかけに返事をすることはなかった。


真っ赤な顔して、なんか…、苦しそうっ!



そういえば…。

日夏は全然休んでない…!


一人でずっと騒いでたあと、わたしが3・4回出たり入ったりしてても…、日夏は何も飲んでないっ!