あの暑い 夏の記憶


「大人ぶって、負けを認めたか!?」


「アハハッ!ほら、座れって」

日夏のジュースのグラスの横に、ケーキのお皿を置いた。


「食べかけでいいなら、いいぞ?」


「マジで~!さすが耕にぃ!!やっぱし耕にぃは理解力あるよ~」

…さっきのあれは何だったの?


「…アハハッ!若者と争うなんてできないよ。成長期だからなー日夏は。たくさん食ってでかくなって、たくさん働いてもらわないと」

やっぱり、耕にぃは大人だー。


「ちょっと、耕毅くん。まるで私たちが年寄りみたいじゃない?」

日夏ママと旭ママが、耕にぃに詰め寄る。


「い、いや…っ。そうじゃなくてっ…」

また、人差し指で頭をかいた。


「耕にぃ!ほんとのことなんだからっ。謝ることね~ぞっ」


その減らず口は、日夏ママによって大人しくなった。

「日夏っ!うるさいよっ」


「……」


「いやいや。…おねえさんたちと俺、そんな年変わんないよー?」

耕にぃは動揺しまくり、そんなに長くもない柔らかい髪の毛を掻きむしるほどだった。