あの暑い 夏の記憶


ピロピロピロ~…

3時過ぎ。

やる気のない音を鳴らす葵ねぇの携帯電話。


「お~っ!ケーキ1つ残ってる~」

箱に1つだけ残されたケーキに手を伸ばそうとした瞬間。


「ダメです!」

と、葵ねぇは携帯電話を片手に日夏の腕をひっぱたいた。


「何でだよ~っ!?」

こっそりと箱からケーキを取り出し、お皿の上へゆっくりと落とした。


それを横目に葵ねぇは誰かと電話中。


「…はーい、じゃ待ってるね。はいはい、わかった!」

電話を切って日夏の皿からケーキを奪うと、その隣の空いてる席に動かした。


そこに新しいグラスに注がれた、アイスコーヒー。


「ん?…誰かくんの!?乱入かっ!」

日夏は、自分の隣に誰かが乱入してくるのが解ると、興味はその相手とケーキに移された。


「にっちはバカだねー…」


「ほんと。なんでわかんないんだろーね…」

わたしと旭は顔を向き合わせ、なんとも言えない疲れが押し寄せてきて、溜め息をついた。