あの暑い 夏の記憶


小さくなった陰は、わたしの前まで来て息を切らした。

「…そうだった…!…とりあえず…っ。落ち着こ~ぜ!」

な?と、わたしの腕を掴み、そう言った。


「…そうだね、落ち着こうね」

わたしじゃなくて、…日夏が、ね…。


ビニールハウスに人影らしきものが見えたから、わたしと日夏は乗り込んだ。


「疲れた~…」

背中を丸めた日夏を、呆れ返るのは…。


「まだ何もしてないでしょ!」

それは、日夏ママだった。


「違う!ここに来るまでの間、敵と戦ってきたんだいっ!」


「…変なこと言って?バカだね!」


「いいさっ、わからんくても!」

誰にも相手にされない日夏は、トマトの葉っぱの間に上半身を突っ込んだ。



「…おぁ~!赤いの発見!!確保!!」

真っ赤に熟したトマトを見て、日夏はパワーを取り戻して行った…。


ちょっと日夏…、雑草むしりはー?


日夏ママ…。わたし…!


もう日夏についてけないよ…!