あの暑い 夏の記憶


お昼ご飯を食べ終わると、わたしと日夏は草むしり。


「なぁ?…なんだか、…あいつ怪しい!」

足を止め、わたしに体を向き直した。


「あいつって…。直さん…?」

「あいつ…。葵ねぇのことさ、…ジロジロ舐め回すように見てんだぜ!あいつは好かん!」


「あ!あーっ!日夏ヤキモチ焼いてんだー!!」


「違うやい!ふんっ」

耳まで赤くしてるくせに、全力で否定する。


「でも、葵ねぇは耕にぃのものなんだからねー。日夏じゃないんだから」

わたしはここぞとばかりに日夏をからかう。


「違~う!…耕にぃじゃなくて…っ!あいつは…、ダメだ!!」

鼻の穴を膨らせ、両腕をバタつかせる。


わたしは何も言わず、白い目を向けた。


「こうしちゃいらんね~!耕にぃに知らせなきゃ!!」

わたしを通り越し、来た道を走り出した。


「へ?…どこ行くのー!?」

ものすごい勢いで、小さくなる日夏の姿に声をぶつけた。


「…!耕にぃんとこに決まってんじゃんかよ~!!」

そう叫んだ日夏の背中に向かって。


「こーうにぃはぁーっ!出荷だよぉーっ!!」