あの暑い 夏の記憶


「…な~んだ、そんなことかよっ!くっだらねっ」

さもつまらなさそうに吐き捨てる日夏。


「にっちにはわかんないよっ!ふん…」


「そんなの葵ねぇにやって貰えばいいじゃんよ!」


「…は?」


「だってよ~…。バイト2人もいるんならちょっとは時間作れるんじゃね~の?」

頭の後ろに手を組、当然だろ?というような顔をしていた。


「おねぇは心音が独り占めしてるもんっ!にっちは男子だから、わかんないんだよ!」

目に涙をたくさん貯めて、被っていた黄色い帽子を日夏に投げ付けた。


「な、泣くことないじゃんかよ~っ!」

旭を泣き顔に、日夏は弱々しく返した。


わたしは泣いている旭を抱きしめて。

「旭…。いいよ!葵ねぇはみんなの葵ねぇだもん。貸してあげるよ!葵ねぇもいいでしょー!?」

顔を見上げた先にいた、眉をひそめていた葵ねぇに訴えかける。