あの暑い 夏の記憶


「…急にお姉さん面しやがってよ~。早いってもたかが10日じゃんか!オレは自分以外に興味ないの。い~っ、だっ!」


…別に、お姉さん面なんてしてないのにー…。


何よっ、偉そうにっ!


「自己チュー!バカっ!アホーッ!」

と、だけ叫ぶと、わたしはまた黙々と草をむしり取り始めた。


「…心音までオレを虐めるのか…。そ~か、そ~かよ…。いいんだ…、オレなんかよ…」


……。


「オレなんか…。いない方がみんなのためなんだよ…」


……。


「…オレって、…かわいそすぎる…」


……。


「…男バージョンのシンデレラだよ…。オレは…」


……。


芝居がかった台詞で、いじけ始めた日夏を無視し続けた。



“ウ゛ゥ~ウ゛~…”

12時を知らせるサイレンが、遠くで聞こえた。


「やった~っ!飯~っ!」

雑草を手から放り出し、ガバッと立ち上がる。


「……」


わたしは…。

日夏の真面目な姿を見たことがないような気がしてきた…。