あの暑い 夏の記憶


耕にぃは腕時計に目を向けると。

「日夏?ごめんなー?早く帰らないといけないんだ。また時間あるときな?」

と、耕にぃがせわしなく2号で帰った後。



真面目に草むしりをしていたわたし。

偉ーいっ!


「…心音…一人だけマジメちゃん振りやがって!」


…無視。


「…葵ねぇも、調子こいてトラクターなんて乗りやがって!」


…シカト。


「…旭め~!葵ねぇに取り入って何企んでやがる!」


…聞こえない。


「…耕にぃも耕にぃだ!忙しい振りしてよ!」


…忙しい振りじゃなく…。本当に忙しいんだよ…。


「…さては…、いい女でもバイトに来たか!?」


バカだ…。


「…都会のねぇ~ちゃん…独り占めか!?」


…赤の他人です。


「…みんなして…オレの誕生日忘れてやがんな!」


「…あーっ、もうっ!日夏うるさいー!」

草を握り締めて、ついに口を開いてしまったわたし…。


「…けっ!誰もオレの話真剣に聞かね~!つまんね~っ」


「大体…。日夏の誕生日、…まだ先じゃん!わたしの方が早いもん!」